和食における粉からし・和からしの特徴と使い方
調理時間:10分
日持ちするチューブの辛子と和からしの粉からしを溶いたもの、辛子としての“辛み”にとても大きな違いがあります。そもそも“辛み”のような揮発性の高いものを、日持ちさせること自体が難しいのでしょう。
ツンとした辛みがほしい料理には、やっぱり粉の「和からし」です。料理的な側面から特徴を紹介したいと思います。
練り辛子の材料 (分量不問)
- 粉からし … 適量
- 40℃くらいのお湯 … 適量
和食における粉からし・和からしの特徴と使い方
辛子について
辛子には「和からし」と「洋からし」があります。簡単に区別すると、「和からし」はツンとした辛味が特徴の、昔から日本で食べられてきた辛子で、 「洋からし」は一般的にマスタードといわれ、ソーセージなどに添えるまろやかな辛味が特徴の辛子です。
市販のチューブの辛子は、「和からし」だけを使ったもの、上の2つをミックスしたもの、様々なものが売られていますが、どちらも揮発しやすい辛みを維持し、且つ充填しやすくるすために、 食塩や植物油など調味料や香辛料抽出物などを配合しているものが多いです。辛子の本来持っている「ツンとした辛み」を求める料理には、食べる前に家庭で「粉からし」を溶いて使うのが理想的だと思います。
辛子の作り方/練り方
用意するものは、小さめのボールとスプーン、40℃くらいのお湯(※)です。 まず、ボールに粉からしを必要な分量入れ、少しのお湯ではじめに硬めに練ります。料理屋ではこの硬い状態のものを用意しておいて、 必要なときに必要な硬さに溶いて使用するのですが、家庭でもはじめに硬めに溶いてから後で緩さを調整したほうがやりやすいと思います。
注意点① 思ったよりたくさんできるので、「少なめかな?」と思うくらいの粉からしでスタートしてください。
注意点② お湯も一度にたくさん入れると、しゃばしゃばになってしまうので、少しずつ入れてください。
注意点③ ここで硬めにしっかりと練って、5分ほど置いた後にゆるめて使います(苦味が減って辛味が引き立つので)。
※柴田書店発行の『「こつ」の科学 杉田浩一著』によると、40℃くらいのお湯で辛味を発生させる酵素がいちばん活発になるそうです。
ここからさらに水を入れて溶くときの注意点は、「箸ですくえるくらいの硬さにすること」です。 硬すぎる辛子、しゃばしゃばの辛子では、食べる人が好みの分量を箸でとれない場合があります。 スプーンで落としたときにきれいな角ができるのが理想的な硬さだと思います。 作った練りからしは、できるだけその日のうちに使わないと辛味が飛んでしまいます。
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