鯵(アジ)の3枚おろし/魚の基本のおろし方

調理時間:10分

調理師学校で魚を3枚おろしにするのに何の魚を使って勉強するかというと、鯵(アジ)を使うことが多かったです。

『腹→背→背→腹』、何度この言葉を口にしながらアジをおろしたことか。その言葉通りのおろし方の流れを写真で詳しく紹介します。

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アジの3枚おろしの材料

  • アジ … 1匹

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アジの3枚おろし(魚の基本のおろし方)

アジの3枚おろしに必要なものと手順

アジに限らす魚をおろすのに必要なものは「包丁」「まな板」、あるとよいものは「新聞紙」「キッチンペーパー」「ボウル」です。魚をおろしはじめたら手が汚れるので、はじめに必要なものを準備しておくとよいです。

①はじめは新聞紙の上で頭と腹を落とす(まな板を汚さないように)→②ボウルに水を張って腹の中の汚れを洗う→③キッチンペーパーで水気をふき取ってきれいにする→④きれいなまな板の上で3枚におろす。 という流れが一番やりやすいと思います。

※魚をおろす包丁については一番下の“補足”でふれています。

アジのぜいごを落とす

アジをおろす前に、アジには“ぜいご”と呼ばれる特有のかたいうろこがありますので、そのうろこを包丁で取り除きます。

はじめにゼイゴ以外のところにウロコがついていないか、包丁の先を尾から頭に向かって動かして、ウロコが残っていれば取り除きます。そして尾のつけ根から包丁を入れ、ゼイゴをすき取るように、包丁を上下に動かしながらゼイゴを取ります
身の中央あたりで大きなゼイゴはなくなりますが、そのままアジの身に軽く包丁を押しつけるように包丁を動かし続けると 頭の方まで続くゼイゴを取ることができます(このページの一番上の大きな写真がまさにその時の写真です!)。

片方のゼイゴを取り除いたら、アジを裏返し、反対側も同じようにゼイゴをすき取ります。

※さきに書いたようにまな板の上に新聞紙を敷いてはじめましょう

頭を落として内臓を出し、洗ってふき取る

反対側のゼイゴを切り落としてから、魚を動かさずにそのまま頭を切り落とす工程に入ります。 胸びれが切るときに邪魔になるので、胸びれを立ててできるだけ身を多く残すように包丁を入れます。

斜めに包丁を入れて中骨まで到達したら、ぐっと力を入れて中骨に包丁を入れます。続けて身を裏返して同じように包丁を入れ、完全に頭を落とします。

続けて、頭を右・腹を下にして、腹に包丁を入れ、包丁の刃先で内臓を手前側にかき出します。 内臓を出したら、背骨の根元にたまっている血合いをあとで洗い流しやすように切り込みだけ入れておきます

ボウルの中に水をため、アジの腹の中の血合いや汚れを中心に、表面のウロコなどもさっと洗い流します。 特に背骨の根元に血合いが残りやすいので、しっかりと洗い落とし、キッチンペーパーなどで全体の水気をしっかりとふき取ります。

※ここで使っていた新聞紙で内臓や頭などを包んで捨て、次の3枚おろしの工程からきれいなまな板でやるとよいです。

アジの3枚おろし(まずは片面)

アジの3枚おろしの流れは『腹→背→背→腹』の順番です。 まず片面をおろすので『腹→背』まで。頭右の状態から、手前の腹側に包丁を入れ、上下を返して背側から身を切り離します。

左手の親指で腹を少しだけ開いて包丁を入れやすくして、腹側から中央にある太い背骨あたりまで包丁を入れます。
※おろした後に骨に身がたくさん残っていると残念なので、このとき包丁の切先が、包丁と並行に広がっている中骨にカリカリとあたるのを感じながらおろすのが◎。

次に上下を返して、背側から包丁を入れます。この時も同じように、中央にある太い背骨あたりまで包丁を入れ、できればカリカリと切先を中骨に当てながらおろします。
※ここまで『腹→背』とおろしましたが、次の工程で骨から身をはがすので、ここでは完全に身がはがれた状態ではありません。

刃先を尾側に向け、写真左のように、尾に近い所を貫通させます(※ここではまだ尾に向けて包丁を動かして身をはがしてはダメです!!)。 次に包丁を一度抜き取って、刃先を頭に向けて同じところに包丁を刺しこみます。 左手で尾っぽをおさえながら、包丁を頭に向けた状態で、少しだけ勢いづけて2〜3回に分けて動かし、背骨から身をはがします

最後につながっていた尾っぽのつけ根を包丁で切り離して、3枚おろしの片面が完成です。

アジの3枚おろし(残りの片面)

残りの片面をおろすときは『背→腹』の順番。おろし方は前半と全く同じです。

残りの片面は、背を手前にアジを置き、背側からおろしたのち、上下を返して腹側をおろします。 前半と同じように、中央にある太い背骨あたりまで包丁を入れ、できればカリカリと切先を中骨に当てながらおろすとよいです。

※このとき半身をおろしたアジはまな板に密着しているので、そのままではおろしづらく、 包丁を入れる身と反対側の身を左手で軽く押さえて、手前側を少しだけ浮かすようにした状態で、包丁を入れるとおろしやすくなります。

背→腹の順に包丁を入れたら、身のはがし方も前半と同じ。 刃先を一度貫通させてから、左手で尾っぽをおさえながら、包丁を頭に向けた状態で、少しだけ勢いづけて2〜3回に分けて動かして身をはがします。これでアジの3枚おろしの完成です!

腹骨と血合い骨を取り除く

3枚におろしたアジを料理に使うには、多くの場合、腹骨と血合い骨を取り除く必要があります。
腹骨は3枚におろしたアジの身を縦に置き、腹骨をすくい取るように切り落とします。

続いて、骨抜きを使って3枚おろしの身の中央に連なる“血合い骨”という小骨を取り除きます。 頭側の方が骨が太く、尾っぽ側になればほとんどなくなるので、特に気を付けたいのは頭よりの半分側。 頭側から等間隔に連なる小骨を確認していき、取り除けるものを抜き取るとよいです。すべての下処理がこれで完了です!

※血合い骨を取り除く時、頭側に向かうように少し斜めに抜き取るようにすると、アジの身が割れずにきれいに取り除くことができます!

刺身にする時には「皮をむく」必要がありますが、その場合は
①3枚におろした状態から、下の写真のように皮をむく。
②3枚おろしにする途中で、腹→背と包丁を入れたあと(身を完全にはがす前に)皮をむく。
の2通りがあります。 ⇒簡単に作れる『あじのたたき』のレシピもぜひお試しください。

(補足)アジの片開きのやり方

下処理したアジを用意し、腹からそのまま反対側の背まで包丁を入れて開くのが「アジの片開き」です。
まず手前の腹部分に包丁を入れて背骨までの半分を開いたら、次に背側を魚を移動させずにおろします。 背骨にくっついている腹骨を切り、頭側から大きく包丁を動かして、背側を開きます。 身を半分開いた状態のものを縦において、腹骨を左右取り除き、次に中骨をすくい取って完成です。

【補足】

  • 魚をおろす包丁は、やはり『出刃包丁』が理想的です。私はアジなどの小さい魚をおろすのには、刃渡り12㎝ほどの“小出刃”と言われる小さめの出刃包丁を使っています。
  • 一般的な三得包丁でもアジくらいの小魚であればおろすことは可能です。ただ、包丁の刃先で太い中骨などを切らないように注意する必要があると思います(包丁が欠ける可能性があるため)。
このレシピのキーワード
鯵(あじ)
刺身
青魚をたべよう

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アジの3枚おろしの材料

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